2020年1月2日木曜日

菅家福次日記:1943年1月24日 蓄音機

菅家福次日記:1943年1月24日 蓄音機
■蓄音機
■1943年1月24日(日)猛吹雪
 朝の積雪一尺余り。終日満天の風雪霏々。奈良布の原の風言語を絶する。広兄等小屋の中にて寒さを凌ぐのみ。それさへ躰一面真白。自分は前線を偲びこれもきっと一窯の木を割り小屋に入れる。昼食後すぐに帰宅。後、山刀の柄入れ。夜は彦兄の散髪。それから蓄音機レコード聴き入る。他界に入るの感ある。後は想いぽかんとする。兄・清次は農事休。

★(解説)朝の新雪は30cmあまり。一日中吹雪であった。特に奈良布原の強風はたいへんだと書いている。小屋とは炭焼き小屋のことで、境の沢流域での炭焼きと想定しているが奈良布原の風雪としているので炭焼き場所について今後、見直さなければならないかもしれない。前夜うまくいかなかったナタの持つ手に木製の柄を付けた。隣家の彦蔵の頭髪を切ってやる。蓄音機でレコードを聴いている。菅家福次20歳。