2012年8月23日木曜日

畝間(うねま)灌水(かんすい)


■2012年8月23日(木)
 もと水田であったところには用水路(引水)があり、畝間灌水  unema-kansui  をしている。7月、8月と高温が続き晴天、雨がほとんど降らない。カスミソウの栽培には辛苦の年となっている。そして積算温度が高いことから10日ほど早く開花している(前進開花)。今後開花するものは彼岸に納品する予定の花で、それも予定の草丈にならない(短幹開花)。5月、6月の低温で6月に咲くものが7月中旬、下旬にずれ、9月に咲くものが8月中旬から開花している。
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■7月21日から8月26日まで隣県の県都新潟市中央区のみなとぴあ・新潟市歴史博物館で「開墾の技術史 蒲原平野のたんぼとはたけ」という企画展が開かれている。盆休み中に訪問してきた。ここに福島県猪苗代湖沿岸の集落の湿田で使用された田下駄tagetaであるナンバ(湖南民俗館所蔵)が展示されている。
 新潟市域で近年に発掘された古代から中世の水田跡の発掘成果の展示であるが、たいへん興味深かった。8月19日(日)には帝京大学教授の木村茂光さんが「日本農業史における開墾」としてセミナーが開催された。
 11月より奥会津大芦の大芦家で5回連続の公開講座を開催するため、その事前調査を行っている。テーマは「からむしとアサ」の栽培・生産の研究がどこまで進み、何が明らかになって、何がまだわかっていないのか?ある栽培植物を定着化させる前段階に「開墾」がある。古代・中世・近世のなかでそれは固定化され、あるいは移民、技術移転が行われている。そうしたなかで新潟市での開墾の技術史展はたいへん参考になった。
 また来場された人々からの声や気づき・体験を集める仕組みもあった。「開墾の技術史展情報カード」は「たんぼ・はたけや農具に関する思い出やご存知のこと、何でも気軽にお寄せ下さい」。博物館・資料館はわかったことを伝える場であるが、来場者の体験を集める場所でもある。
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