2020年1月2日木曜日

菅家福次日記:1943年1月18日 ゆきつかえ

菅家福次日記:1943年1月18日 ゆきつかえ
■ゆきつかえ

■1943年1月18日(月)雪、冷
 昨日と同じやうな天気であるが、少々風強く、夕方は吹雪となる。炭木を伐る。窯の日をたく(補助たき)。一寸の暇も見たれず。世を離れた感があり苦しみもなやみも思い出せない。白き木を掴む手さへつめたさを感ぜないが手のあれるのは眼に見える。木割をしたせいか右腕が痛く肩がこる(新聞三日分来る)。富民日記注文す。一円拾六銭(送共)手紙。

★(解説)必死になって炭焼きを一人で行う。何も考えない無心の状態。雪で来なかった郵便扱いの新聞が三日分来たという。私たちの子どもの時代(昭和四〇年代)にも「雪支(ゆきつかえ)」という赤い印の押された郵便物が来ていた。雪で喰丸峠が通行できなくなると郵便配達は来ない。白き木というからブナを炭に焼いているのだろうか?


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2011年1月13日撮影。