2010年7月14日水曜日
3年ぶりのカラムシひき、はじまる
■2010年7月14日(水)雨。
福島県大沼郡昭和村大字小野川字大岐、大岐集落では昨日(7月13日)午後1時に祭礼のための「はたかけ(旗掛け)」が行われた。大岐集落の鎮守は「やまのかみさま(大山祇神社、おおやまつみじんじゃ)」。細い石段と石灯籠、台地上には堂宇がある。この石段の3段まで大正時代に水が乗った(洪水)ことがある。
今年(2010年)は6月後半から連日の大雨が毎日午後にあり、大雨警報、洪水警報が発令されている。いまもそれが続く。先週末には集落内を北流する滝谷川が氾濫しそうになった(七月九日18時。水位180cm)。
■大岐のカラムシ栽培は、集落内ではほぼ全戸が経営しており、近年では菅家タツノ、慶子さん親子らが北会津に転出してからというもの、モト子姉一人が継続してきた。そのころ80才になり、2007年の夏が最後となった。小野川本村の娘宅に暮らすようになり、2008年、2009年と高畠のカラムシ畑は荒れていった。
■2010年5月から昭和村の織姫体験生15期生(2008年)の広島県出身の赤木洋子さん(村内両原在住)が、カスミソウ栽培の作業で大岐に来ており、5月下旬に、モト子姉のカラムシ畑のことを知り、大岐の菅家清一・ミヨ子を通じて、モト子姉、小野川、下中津川の親族関係者から承諾を得て、そのまま生育しているカラムシを採取し製繊することになった(7月13日には洋子さんがあいさつにまわった)。清一は10日頃から「つけば(漬け場)」となる水場を造り、はぎ・ひきのできる場所を11日に作った。雨の13日午後、清一と洋子さんは高畠のモト子姉のカラムシ畑から30本ほど3尺8寸でカラムシを刈ってきた。洋子さんはカスミソウの仕事が定時に終えた後で、それを剥ぎ、水に浸けた。14日は鎮守の祭礼で村休みなので、それを挽く。また早朝に刈り、剥ぎ、それは午後に挽く。
■カラムシは負ける人がいるから、というのはゴム手袋などない時代には、剥ぐ、挽くなどのときにカラムシの液でかぶれる(発疹)ひとは扱えなかった。そのかわりアサを挽いた。
むかしはのきば(軒端)でやったものだ、ともいう。軒は雨があたらない。
夕方にクイナ(喰名山)の山の日陰になると高畠にカラムシ採りに行った。午後3時頃だ。それを一人三束ほど家に背負ってきて、夕飯を食べる。その後すぐにカラムシ剥ぎを行い、水に浸けて翌早朝から挽く。剥ぐのは一人1束。翌朝もカラムシ採り(刈り)に行き背負ってくる。